『台風10号でかいらしいが、飛びそうな物ってなんだろう・・・』
2019年8月15日
近畿・中国・九州・四国を大型台風10号が襲います。
その風速はなんと30~35m!
風速だけ聞いても、一体どんな被害が想定されるかわかりにくいですよね!
この記事では
”台風10号で何が飛ぶ?建築屋が選ぶ風害3選!カーポート・テラスが危ない!対策は”
と題して私の経験を通じてご案内します。
そして過去事例を遡ると、被害に合いやすい立地条件があったのです!
気になるトピックをClick!
台風10号の風速30mで何が飛ぶ?対策は?
カーポート・テラスは壊滅的な被害を受ける!
実はつい先日まで私自身建築業に携わっていたのですが・・・
2018年の台風21号で最大に被害にあったもの上位をお知らせします。
- ベランダ(パネル)
- カーポート(パネル)
- 屋根(カラーベスト・瓦)
台風21号経過後に問い合わせが殺到したのが上記3点です。
それでは各部位について詳しく事例をご紹介します。
台風10号でベランダ・バルコニー・テラスが飛ぶ!その条件とは?(ポリカーボネートパネル)
2018年にきた台風21号の被害ナンバーワンはバルコニー(ベランダ)テラスの被害です。
お客様によっては”パネルだけが飛んだ方と、フレームごと持っていかれた方”がおられました。
これからがポイントなのですが、被害に合われたお客様にはある共通点があったのですそれは・・・
台風でベランダテラス被害にあった方の共通点①:家の立地
”南西角地に家を建てている人”でした。
今回の台風10号と同様に、大阪の西側(左側)を通過していきました。
つまり、台風から見て大阪は右側。
そして下(南側)から上(北側)へ移動してくるので、必然的に南西の角地に風当たりが集中することになります。
台風で被害にあった方の共通点②:バルコニーテラスの形状
バルコニー(ベランダ)テラス屋根は主に二種類の形状があります。
その二種類が”R型とF型”となります。
そしてR型とF型は以下の画像のとおりです。
ご自身の家についているものと比較してみてください!

F型バルコニーテラス(フラット型)

R型バルコニーテラス(アール型)
R型は名前の通り、屋根の形状が丸みを帯びています。
一方F型はフラットのFから来ており、屋根の形状がまっすぐになっています。
つまりF型に比べR型は”風を取り込みやすい形状”となっている訳です。
この被害の差は
R型テラス屋根9.5割に対してF型テラス屋根は0.5割以下
大げさでもなんでもなく、むしろ控えめに言ってるぐらいです。
そしてこういった製品には耐風性能というものがついています。
ベランダ(バルコニー)テラスの耐風性能の数値はどれぐらい?
結論から言いますと
風速20m迄というのが標準的な数値です。
そうなんです。
しかし強化版も発売されています。
リクシルさんでいうと『パワーアルファ』とか言う商品名だったはずです。
では、その耐風性能ですが、
風速25m迄です。
そうです。
商品での対策はできないというのが結論なのです。
強いて言えば、当然お金は取られますが
”一旦すべてのパネルを外す”ということぐらいしか対策はできません。
続いてカーポートでの台風被害の状況です。
台風10号でカーポートが飛ぶ条件とは?
カーポート被害でもある一定の条件を満たした方が被害に合われていました。
その条件とは
- ”南西角地に家を建てている人”
- ”風下側にカーポートの柱を建てている人”
基本的にどのお宅でもカーポート被害は多いですが、上記2点が当てはまっている家です。
②がわかりにくいと思うので説明すると、台風21号は南西から風が吹いています。
ということはその反対側
”東・北東・南東”に柱が立っている家が該当します。
なぜかというとカーポートの屋根は勾配がついています。
そして風下に柱が立っているということは、屋根の勾配が低いところに風を受け止めるような形になり、結果パネルが耐えられず吹き飛んでいく。
わかりにくいと思うので図を書きました。

という具合ですね。
ではカーポートの耐風性能はどうなっているのでしょうか?
カーポートの台風性能はどれぐらい?
結論から申し上げます。
耐風圧20mです。
そうです。
テラス屋根と全く一緒。
急にできる対策なんて何もありません。
もし可能であればパネルを外して風を抜けるようにすることしかできません。
最悪の場合柱ごと曲がったりしている家もありましたが、こればかりはどうすることもできません。
台風最多被害:屋根瓦・カラーベスト・棟板金
これが本当に多いです。
一度屋根を見上げてください。
カラーベストと言われる、いわゆる”薄瓦”のお家には 端っこの方に金属部分が見えると思います。
それを板金(ばんきん)といいます。
屋根の頭にある板金は棟板金(むねばんきん)といいます。
それが風速30mを超える爆風が吹くと、”バンバン飛ばされます”。
特に屋根形状が
- 片流れであること。
- 寄棟(よせむね)であること。
この条件にはまっている家が被害が多かったですね・・・
実際瓦自体が飛ばされている家もあるのですが、圧倒的にこの棟板金が飛ばされる事例が多かったです。
これも立地による条件により、被害が集中していました。
その条件とは
”南西の角地に家を建てている家”
”周りに風を遮る建物がない家”
そうです。
3大被害の全てにおいて南西の角地に家を建てている家に被害が集中します。
逆に自分が住んでいる県の右側(東側)に台風が通過すると、北東の角地が不利になります。
今からできる台風対策で、できることはなにもないのか?
結論から申し上げて、”ありません”というほかありません。
テラスやカーポートなど”パネル外れる系”は逆にパネルが外れることによって、フレームに被害が及ぶのを防いでくれています。
テラスの場合パネルが外れないと外壁が致命的なダメージを受けることも。
カーポートであればパネルが外れないと柱にものすごい力がかかり、座屈します。(折れる)
なので、あらかじめロープで縛ってパネルが飛ばないようにするというのも、ある種得策とは言えません。
屋根に関してはそもそも、対策できることはありません。
すぐに業者さんが来てくれそうであれば、今のうちに手配されることを強くおすすめします。
それが無理であれば、ただ祈るしかありません。
台風で被害にあった次にすべきこと。
もちろん今から出来ることですが、”火災保険の内容確認”です。
家を買う時に必ず加入しているはずです。
そこで、”風害”に対応している保険であれば、台風によってできた被害をカバーすることができます。
もし風害に対応していなければ、今すぐ保険屋さんに連絡して、早急に風害対応に変更可能かどうか確認することを強くおすすめします。
台風で被害にあったその修理費用の相場はいくらぐらい?

カーポートやテラスのパネルの復旧だけであれば5~10万円程度。
フレームもやられてしまっている状態であれば、元の撤去費を含めて30万円程度となるでしょう。
以外に高く付くのが棟板金です。
基本足場を組むことになるので、50万円前後はします。
”はしごでやってくれる業者”もいますが、万が一落下事故が起きればあなたの家が”事故物件”になってしまいます。
俺でも安い方を選ぶ人が多いんですけどね(苦笑
はしご作業の場合15万円程度で収まることが多いでしょう。
もし保険でまかなえるのであれば、間違いなく足場を組んで、安全第一で工事してもらいましょう!
台風で被害に合いやすい立地条件は”南西角地”対策のすべなし。火災保険の内容を今すぐ確認!

まとめます。
バルコニーやベランダのテラス屋根の場合被害に会いやすい条件は
- 南西角地の家である。
- テラスの形状がR形状である。
カーポート被害が起きやすい家は
- 南西角地の家である。
- 風下に柱が立っている。
屋根に被害が合いやすい家は
- 南西角地の家である。
- 周りに風を遮る建物がない。
といったところです。
なんとか対策をお伝えしたいのですが、本当にこればかりはありません。
テラスやカーポートはパネルを外すことぐらいです。
あとは、被害にあった後、いかに保険で賄うことが出来るのか。
これが非常に重要です。
なので今すぐ”保険の契約内容を確認することが何より大事なこと。”
となります。
なんとか無事でありますように。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!